テレビ

 子供の頃は、早起きして「おそ松くん」や「元祖天才バカボン」の再放送を好んでみるほどアニメばっかり見てたから、バラエティ番組なんて学校で流行ってたからつられて見てた「学校へ行こう!」くらいだった。番組で作られた「学生に流行らせよう!」という制作サイドの意向丸出しのゲーム*1にまんまと乗せられた小中学生は『作られたブームを作るための協力者』として一役買わされていたとも知らずに、休み時間になるたびにゲームに夢中だった。そんな中、当時あまり空気が読めない子だった僕が、なんだかみんなで盛り上がっているゲームに参加したい一心で、背伸びしてバラエティ番組を見始めたのがその頃だった。しかしただ休み時間を楽しみたいだけの、それまでゴールデンタイムにはマリオに夢中だった僕にはバラエティ番組なんて面白くもなんとも無かった。操作できないし。結局、ルールもちゃんと理解できずにハブられたりしてた可哀想な子供だった。

 小学生低学年の頃は本当に全くと言っていいほどバラエティ番組を観ていなかった。食事中に親が見てる番組をとりあえず見る程度ではあったものの、一部のコント番組がわかる程度で、好んで見ることはなかった。「ぼのぼの」のビデオの山に紛れていた、親が録った「ボキャブラ天国」を観てみたけど一切意味がわからなかった。「大人が見るもの」と割り切っていたから理解する努力もしなかった。「ぼのぼの」と「ドクタースランプ」のビデオはヘビーローテーションで見たせいで今ではいくらクリーニングをしても数秒しかキレイに見れない仕様になってしまった。

 ようやく見るようになったのは中学に入ってから。一人部屋を貰い「トリビアの泉」や「行列の出来る法律相談所」「クイズ$ミリオネア」などを見るようになっていた。ただ、その頃からひねくれていた僕は上記の経験もあったせいで「学校で流行ってる番組なんて見てたまるか」などという傷ついた男のプライド(笑)のためにそこまでのめり込むことはなかった。「トリビア」を意地を張るために見ないなどという取り返しの付かない事をしたことを今では後悔しているものの、当時の自分にはどんなに言い聞かせても「俺はローグギャラクシーをやる」の一点張りだったろうと思う。アホだし。

 高校に入った後、DVDレコーダーを買ってもらった。Gコードを使わない、しかも番組表を見て選択するだけで録画予約が出来て、HDDにいくらでも録画できるというシステムにテンションが上り、買った直後から適当な番組を録りあさることにした。それにより毎週10番組ほどを録画してみるようになった。高校に入ってからは夜無駄に寝ないでいる生活を繰り返していたため、毎日1時間くらいTVを見る暇ならいくらでもあった。そこで「アメトーーク」や「リンカーン」などを見るようになり、ようやく芸人を知る。その時までダウンタウンの存在もおぼろげにしか知らなかったと思う。バラエティ番組を見ることで「お笑いのテンプレ・お約束」などを知ってからは、昔の番組も面白いと思えるようになった。

 今までテレビを見ていなかった反動のせいか、最近はどんな番組を見ても面白いと思ってしまう。お笑いブームももう終わりとか言われ始めているけど、ちょっと前までの「若手発掘」の名目で、つまらない芸人もどんどん前に出していくような風潮よりは少し抑えてくれた方がいのかもしれない。変にフレーズだけ前に出て中身が無いのより、お決まりのパターンをちゃんと出来る方がよっぽど面白いし。