ねぇ知ってる!?節分って2月3日って決まってるわけじゃないんだって!!
「節分だよ!!!今年も節分がやってきたよ!!!!せっっっっっっっつぶんだよ!!!!!」
「……毎年毎年テンションが高いな」
「今年は趣向を凝らしてこんなものを用意しました!!!」
「困難を乗り越えて邪気を追い払え!ガチ豆まき大会〜鬼殺し編!!!!!」
「コイツ節分を楽しむ気満々だよバラエティ番組のノリだもの」
「豆まきは別に娯楽ではないのにな」
「それではみなさん庭の方へ移動お願いしま〜す!」
「外でやんの!?寒いって!」
「家でやると片付けとかめんどくさいし」
「いやいやめんどくさいの用意したのお前だよ」
「ほら寒い……マイナスいってるよこれは」
「さて!あちらのプールをご覧ください!」
「プール!?お前またバカなこと……」
「なんだあれ?煙がすごい……湯気?」
「お、あったけーじゃん!なにこれ?」
「ここに熱湯の入ったビニールプールがあります」
「熱湯……嫌な予感しかしないんですが」
「大丈夫!入れなんて言いませんから」
「まぁそんなの節分要素無いしな」
「これからみなさんには豆まきをしてもらいます!」
「……まぁおおむね察しはついておりました」
「いやプールは!?」
「ルールは簡単!このプールに入っている豆を鬼にぶつけるだけ!」
「……なるほどねー困難ってそういうことか」
「みんなであっつい豆をぶつけ合うってことかよ!邪気を追い払えんのかそんなんで?」
「いや、そういうのはまた今度こどもの日にでも」
「こどもの日も似たようなのやんのかよ!」
「あ!これ煮豆だし!」
「より熱いじゃねえか!これをどうすんだよ」
「これを鬼に投げます」
「鬼……鬼?」
「今回は特別に本物の鬼を用意しました!」
ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ
「うわあああああああああああ!!!でかっ!!!こわっ!!!!!」
「は……何?人?」
「いや鬼だって話聞けよ」
「どっから連れてきたんだよ!」
「それはちょっと……」
「なんで言えねえんだよ!」
「無理だって死ぬじゃんあんなの!」
「そう!そのための豆です!」
「なんで立ち向かう前提で進行してんだよ!」
「恒例行事ですし……」
「いつの時代のだよ!……いやいつの時代にもこんなことはやってねぇよ!」
「歳の数+1だけ投げれたらいいよ!」
「いいよ!じゃねえよ!逃げんのもキツイだろ!」
「だからそのための豆だって!豆に弱いんだって!」
「……本物の話は聞いたことないから、豆に弱いかどうかも怪しいぞこれ……」
「それじゃスタート!」
「え!?そんな急」
わー来た!!!
一歩がでかすぎんだろ!
ズガァン!
棍棒もでけぇ!
とりあえず分かれよう!
ぎゃー来た!!!
よし今のうちに……
いや熱い熱い!!!マジで熱湯じゃねえかこれ!
このハンデいらなかったって絶対!
1,2,3,4……
あ、アイツめっちゃ当ててる!
なんで慣れてんだよ!
グアァァァ
効いてるのか!?
いや熱いんだろ!
足狙え足!
煮豆じゃ狙えねえ!!!
「……しゅーりょー!」
「無理だろこんなん!」
「え〜?俺はちゃんと20個投げたよ?」
「お前足の下くぐってたりしてたもんな」
「完全にボス戦の立ち回りだったもの」
「さて!最後は投げた豆を食べます!」
「え?投げたやつじゃないとだめなの?」
「まだプールにいっぱいあるからそっちでいいじゃん」
「ダメだよ効果が薄れるから」
「なんだ効果って……」
「じゃあ煮豆にすんじゃねぇよ!」
「研究の結果煮豆が一番いいってことになったんで」
「なんだ研究って……」
「それでは!みんなで食べてお別れとしましょう!さよーなら!」
「……どっかに公開すんのかよこれ」
「それより鬼ってなんだよお前!」